- 浮き世
- うきよ【浮(き)世】〔憂き世(つらい世の中)と浮世(フセイ)(はかない世の中)の二つの意味が重なり合った語〕(1)つらくはかないこの世の中。 変わりやすい世間。
「~の荒波」
(2)今の世の中。 俗世間。 現世。「~の義理を果たす」「~のしがらみ」
(3)名詞の上に付いて, 当世の, 現代風の, 好色な, の意を表す。「~草子」「~人形」「~絵」
(4)男女の恋情。 情事。 色事。 また, 享楽的で色事を楽しむ遊里。「心の慰みは~ばかり/仮名草子・恨の介」
~は一分(イツプン)五厘(ゴリン)この世のことはそれほど値打ちのあるものではないの意。 世の中を軽くみていう語。~は牛の小車(オグルマ)〔「牛」に「憂し」をかけ, 浮世の変転するのを「車」にたとえる〕この世はつらく苦しいことばかりが巡ってくるものである。「~の廻るや, 報なるらん/謡曲・葵上」
~は夢〔李白「春夜宴桃李園序」〕人生のはかないことを夢にたとえたもの。~を立・つ生計を立てる。 世渡りをする。「算用に~・つる京ずまひ(芭蕉)/炭俵」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.